JR東海は、ポスト・コロナに対して強気の姿勢を示す鉄道会社である。
新幹線、在来線ともに積極的に新車を導入し、本数も減らさない。コロナ前から決まっていたものの、「のぞみ12本ダイヤ」を見直すこともない。この夏は多くの「のぞみ」を東京〜新大阪間で運転した。行動制限がない中で、多くの人が帰省や旅行をするため、輸送手段を確保した。
東海道新幹線は大きな需要が見込まれるので、きちんとそれに見合った列車本数を供給する。コロナ前から計画していたものだったが、コロナ禍以降もその体制を見直そうとはしなかった。
JR東海の基本的な考え方として、どれだけオンラインでのやりとりが進んでも、対面で人と人が会うことや、どこかへでかけることは決してなくならない、というものがある。その考え方を決して崩さず、コロナ禍での利用者減の時期には耐えて、コロナ後に備えている。
今年のお盆シーズン、東海道新幹線は多くの人を運んだようで、前年同期の2.1倍、215万人を輸送した。JR全体でも、お盆期間の新幹線や在来線特急の利用者数は前年同期の2.1倍、685万人だった。もちろん、コロナ前に比べれば低いものの、少しずつ戻っているのが現状だろう。
報道などを見ていると、オンラインで何かをするよりも、やはりコロナ前のように対面で何かをしたいと考えている人が多いように感じられる。オンライン化が進むところはもちろんあるものの、昔ながらの対面でのやり方に戻ろうという動きも強い。
コロナ禍がいつまで続くかは分からない。感染拡大の状況を見ると、近いうちに終息することはないだろう。
感染者が増えていても、行動制限がなければ多くの人は動く。アフターコロナをどのように見通すかで、鉄道会社の「次の一手」は大きく変わりそうだ。
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