Next Generation

「課長まで」で終わる人と、出世する人の決定的な差働き方の「今」を知る(2/5 ページ)

» 2022年09月02日 05時00分 公開
[新田龍ITmedia]

「良きフォロワーとなり、上司を出世させよ」

 とはいえ、何項目もあるとそれだけで気疲れしてしまうだろうから、今回筆者がお伝えしたいのは1点だけだ。それは「良きフォロワーとなり、上司を出世させよ」である。

 「フォロワー」と聞いて真っ先に思いつくのは、Twitterやインスタグラムといったソーシャルメディアにおいて、「発信者の投稿内容を見られるよう登録した人」のことかもしれない。しかし筆者が今回お伝えしたいのは「職場において、上位者や周囲のメンバーの補佐をする人」という意味での「フォロワー」であり、「リーダーシップ」と対比して語られる「フォロワーシップ」についてである。

出世に求められる、フォロワーとしての資質(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 フォロワーシップとは、「チームの成果を最大化させるために、自律的かつ主体的に、上位者や周囲のメンバーに働きかけ、サポートすること」を意味する。

 ちなみにリーダーシップにおいても、「目標達成のために、チーム全体や個々のメンバーに対して働きかける」という点については共通している。しかし、リーダーシップは日本語で「指導力」「統率力」などと表現されるように、「目標達成のためのビジョンを示す」「周囲に働きかけたり、巻き込んだり、盛り上げたりして行動を促す」というニュアンスが強い。同時に「強い積極性や熱意が必要」というイメージもあるため、「自分はそんな器じゃない……」とプレッシャーを感じたり、気後れしたりしてしまう人も多いことだろう。

 「ビジネスパーソンは皆リーダーシップを持つべきだ!」とはいかにも正論ではあるが、やはり適性もあるし、上述のような先入観から、メンバー全員にリーダーシップを期待したり強制したりすることは現実的になかなか難しい。

 しかし、リーダーを支えながら協働するフォロワーシップという形であれば、誰でも発揮しやすく、リーダーシップとの相乗効果によって、チームワークを強化することができやすいのである。

「フォロワーシップを発揮する」とはどういうこと?

 例えば、「職場の10人のメンバーで集まる飲み会」において、あなたが幹事を務める場面を想像してみてほしい。残念ながらメンバーはまとまりがなく、各自で自由に行動し、いろんな要望や文句を言ってくる。実際、あなたの職場にもこのような人はいないだろうか。

  • 参加可否の連絡を放置して返事しない人
  • 当日ドタキャンする人、大幅遅刻する人
  • 「オレは酒を飲んでないから安くしろ」と言ってくる人
  • 店の選び方や場所について、後からどうでもいい意見や苦情を言う人

──などなど。

 幹事経験のある方なら、準備に協力するわけでもなく、ただ参加するだけのメンバーが勝手なことを言い出すのがいかに面倒で迷惑なことか、身に染みてお分かりだろう。

 では仮に、参加する10人全員が過去何かしらの幹事経験を持つメンバーならどうだろうか。おそらく皆苦労を知っているだけに、幹事に丸投げすることなく、誰かが意見や注文をとりまとめたり、当日の運営もスムーズに進行したり、後からどうしようもない文句を言ってこないなど、各自何かしらのサポートが自然にでき、円滑に飲み会が進むのではないだろうか。このとき、幹事以外の9人のメンバーはフォロワーシップを発揮したといえる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.