大きな力を秘めるフォロワーシップであるが、発揮すること自体はさほど難しいことではない。
筆者は、講演や研修の場でフォロワーシップをおすすめする際には、「日常業務の中で、段階的にできるレベルを上げていこう」と鼓舞している。無理のない範囲で、できるところから実践していけばよいのだ。
自分がどれほとのフォロワーシップを発揮できているかのイメージがしやすいように、筆者は次のような段階を提示して説明している。
上位者の指示命令に疑問があれば都度解消し、納得したうえで気持ちよく従う。
上位者の判断や決定に対して積極的な理解/賛意を示し、上位者を勇気付ける。上位者も常に自信をもって判断しているわけではないので、メンバーから賛意を示されれば安心して実行できる。
上位者の取り組みの一翼を担う。単に手伝うだけではなく、「責任の一部を引き受ける覚悟で取り組む」。仮に失敗しても「上位者の責任」と逃げず、当事者意識と責任感を持つこと。
上位者の右腕となって働く。どんな分野であれ、「○○については私に任せてください」と言い切れるレベルのサポートができていれば、職制上の地位は違っても、かけがえのないパートナーとして上位者を支持していることになる。
チームメンバーに対し、上位者の目指す方向性やビジョンを分かりやすく示し、動機づけ、チームワークを最大化した状態で目標に向かえるようにできている状態。ここまでくればほぼ上位者同等である。
この表に基づいて考えると、当時の筆者はプレイヤーとしては成果を挙げていたものの、フォロワーとしての心構えは恐らく(2)〜(3)のあたりであった。
一方、Sはプレイヤーとしての成果には波があったが、フォロワーとしては既に(5)の位置にあった。いわば、既にマネジャー同等の視座で仕事をしていたのであり、次期マネジャーに推されることも当然だったというわけだ。
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