――まだ2回目が終わったばかりではありますが、今後ライブエンターテインメントをこうしていきたいという考えはありますか。
コロナ禍のこの2年間で、本当に今まで全部リアルでやっていたイベントが形式を変え、新しい段階を模索していっています。この間、デジタルによるお客さんとの新しいつながり方が多く発明されました。今後、社会がどうコロナと接していくかの変化に応じて、常にアップデートしていきたいと思っています。
――コロナ禍になったことで、今まではある種タブー視されていた音楽ライブのインターネット配信が当たり前になりました。
映像配信によるライブの楽しみ方ができたことは、大きな変化だと思います。これにより、今までは現地のライブ会場に行かないと目に触れられなかったものが、地方にいても観られるようになりました。逆にリアルにはできない、オンライン上、バーチャル空間、メタバース的な場所でしかできない取り組みも大々的にできるようになりました。
――ライブエンターテインメントのデジタル化が進んだ現在でも、やはり現地のライブ感を大事にしている人も少なくないと思います。
私はこの2つは別物だと捉えています。個人的には、やはり現地の良さはあると思いますし、そこにデジタルを圧倒する価値もあると思っています。ただ、デジタルはデジタルで別の良さがあると思うんですよね。
例えるなら、これはテレビが発明された当時に、近いのかなと考えています。テレビが普及する前、野球は野球場に行かないと見られなくて、その日の結果は次の日の新聞を見ないと確認できませんでした。それが、テレビが普及したことによって、現地に行かなくても試合の観戦自体はできるようになったわけです。でも、「野球はナマで見た方が面白いよね」っていう一つの価値観は揺るがないものだと思っています。
一方、テレビが普及したことで野球の楽しみ方のバリエーションは増えました。例えば野球場から遠くにいても家族みんなで集まって一緒に応援するとか、野球ファン同士で一緒に見るとか違う楽しみ方ができるようになりました。そしてここから新しいコミュニケーションが生まれてくるんですよね。そしてこの根底には「野球が好き」という点で同じなわけです。
これが例えば『アイマス』や『ラブライブ!』に置き換わっても変わらないものだと考えています。むしろ視聴できる機会が増えることによって、キャラクターや作品への愛情が高まり、結果的にうまくかみ合わさってくれればいいと捉えています。
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