こうした食卓の変化を受けて、同社は冷凍食品を解凍なしで調理できる新機能「蒸し焼きメニュー」を開発。同社の特許技術「ヒートグリル皿」の電波効率を従来の1.6倍にアップさせたことで、予熱なしの高火力を実現した。これで、冷凍庫から出してすぐ解凍できるというわけだ。
冷凍食品の中でも屈指の人気メニューである冷凍ギョーザの焼き上がりには、特にこだわったという。「フライパン調理を完全再現し、ビストロが火加減を自動でコントロールします。調理時間は1食約20分と長めですが、つきっきりになる必要がないので、他の料理や家事に専念できます」(矢野さん)
冷凍ギョーザはフライパン調理を完全再現(商品説明会で記者撮影)
300食焼き続けて極めた焼き上がりのクオリティーは、冷凍ギョーザの売上高日本一である味の素冷凍食品も「オーブンレンジでギョーザが焼けるとは想像していなかったですが、焼き上がりのおいしさに驚きました」とコメントし、お墨付きだ。
ビストロで焼き上げた冷凍ギョーザ(商品説明会で記者撮影)
また、この新機能「蒸し焼きメニュー」は、ビストロ庫内を広く使えるように下段に搭載してある。「庫内を最大限広く活用することで、量が多く一度に調理しづらい麺類でも、一気に4人分の調理が可能です」(矢野さん)。1〜2人分の少人数も調理可能であるため、夕食だけでなく在宅時の昼食にももってこいだという。
焼うどんも材料をのせるだけで完成 一気に4人分作れる(商品説明会で記者撮影)
17年から搭載したワンボウル調理にも、新しいメニューとしてエスニックを追加。「昨今の食の多様化を受けて、普段あまり作らないが家庭で作ってみたい料理ジャンルを調査したところ、エスニックが53%を占めました」(矢野さん)。エスニックの良さは生かしつつ、万人受けするレシピに仕上げた。
ワンボウル調理に追加したエスニックメニュー(商品説明会で記者撮影)
焼うどんと鶏肉のバジル炒め 肉はジューシー、野菜はシャキシャキな出来栄え(商品説明会で記者撮影)
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