減塩食の「物足りない感」を解決 “しょっぱく”なるスプーンとお椀、キリンと明大が共同開発23年末の市販化目指す(3/3 ページ)

» 2022年09月07日 20時15分 公開
[菊地央里子ITmedia]
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デバイスで減塩食をおいしく食べる

 今後は、9〜11月にかけて、減塩専門店「無塩ドットコム」を運営するノルト(兵庫県宝塚市)とオレンジページと共同で実証実験を実施。会場での試食(60人)とホームユース(15〜20人)のデータを基に、市販化に向けての改善点の洗い出しや形状の調整、価格設定、販売経路を確立する予定だという。

塩 開発担当者の佐藤愛さん 手に持っているのがエレキソルトデバイス(体験会で記者撮影)

 「市販化製品は充電式を予定しており、使い終わった後はバッテリー部分は取り外して充電、口にする部分は通常の食器のように洗っていただけます」(佐藤さん)。使用は成人以上を想定しており、特に健康診断の結果が気になり始める30代からをメインターゲットに据えている。

 健康志向の高まりを受けて、日本の減塩・無塩食品市場は伸長。15〜20年の5年間で約26%成長し、20年の市場規模は約1413億円にのぼるという。こうした中、同社はヘルスサイエンス領域の規模拡大に注力しており、エレキソルトデバイスの今後に期待がかかる。

塩 日本の減塩・無塩食品市場(同社提供)
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