コロワイドは、外食大手で22年3月期の売上高にあたる売上収益は約1756億円。最終益は約33億円で黒字転換した。「牛角」「土間土間」「しゃぶしゃぶ温野菜」「甘太郎」「大戸屋」「かっぱ寿司」など、多くの有名ブランドを持つ。
大戸屋とかっぱ寿司の運営会社は、コロナ禍で再建に苦労したが、22年3月期ではどちらも最終益で黒字転換している。同社ではひとまず再建は終わったと考えているようだ。
そこで、給食事業の強化を図ろう思ったわけだ。
同社の100%子会社にダイニングエールという給食の会社があって、企業や官公庁の食堂の運営を受託。外食のエッセンスを取り入れたメニュー開発を行っている。
同社・広報では「シダックスのフードサービス事業に関し、提案を行っているのは事実だが、現時点で開示すべき事項はない」とのことだったが、今回はこのまま提案を行っていることがシダックスにとって混乱を招くと判断し、撤収した。
シダックスはオイシックスの傘下に入れば、給食大手として引き続き活動できるのではないか。オイシックスは9月28日までに、シダックス株の最大33.34%の取得を目指す。コロワイドの提案を受け入れれば、給食は公共向けが一部残るが、主に車両の配車などの事業者として活動を続けることになるところだった。
ここまで社内が割れて、志太会長兼社長はリーダーとして事態を収束させられるか。
【2022年9月15日午後3時、一部表記を修正しました
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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