前回、「ボードゲーム市場の動向を把握するのは難しい」という話をしました(関連記事)。「今、世間で盛り上がっているボードゲームっていったいなんなの?」を知りたい人は、まずはゲームマーケットに足を運んでみることをオススメします。
「ボードゲームのビジネス」といっても、その入り口は多岐にわたるようになりました。分かりやすいイメージとして、「ボードゲームをつくって売る」が思い浮かぶでしょう。しかし、「ボードゲームをつくる」「ボードゲームを売る」「ボードゲームで遊んでもらう」など、ボードゲームが関わるビジネスは細かく分かれていて、そのそれぞれでビジネスが成り立っているのです。「ボードゲームビジネスの今」がギュギュっと詰め込まれているのが、ゲームマーケットの魅力の一つといえるでしょう。
「ゲームマーケットって同人の即売イベントじゃないの? コミケみたいな」と思う人も少なくないかもしれません。ゲームマーケットとは、“電源を使用しない”アナログゲームのイベントのこと。公式Webサイトには「アナログゲームの振興と、ユーザの交流を目的とした『みんなでたのしく』過ごせるイベント」と書かれていますが、始まった当初と現在の状況はちょっと異なっています。
ゲームマーケットが始まったきっかけは、ボードゲームを多数所有しすぎて置き場所に困った“当時の先進的なボードゲーマーたち”が不用品を売り買いするために集まったともいわれています。
当時、中古ボードゲームのフリーマーケットと個人サークルによる自作ボードゲームの試遊会が主体でしたが、回を重ねるごとに出展するサークルや企業、来場者が増え続け、2010年からはボードゲーマー有志からアナログゲームベンダー大手のアークライトスタッフによる運営へと切り替わりました。
00年に開かれた第1回のゲームマーケットでは、32の個人ブースと400人が来場しました。新型コロナウイルスの感染が広がる前、19年11月には127の企業と632人の個人ブースが出展して、来場者は初日1万6300人、2日目1万3000人で計2万9300人まで増えました。
ちなみに、感染が広がった20年3月と4月のゲームマーケットは中止。同年11月のイベントからは、規模を縮小した形で開催を続けています。直近の数字をみると、22年春の来場者は初日9500人、2日目6500人、計1万5000人なので、19年秋に比べると半分ほどにとどまっています。
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