「ゲームマーケット」ってなに? アナログゲームの“入り口”として魅力市場の動きが速い(1/5 ページ)

» 2022年09月21日 08時14分 公開
[長浜和也ITmedia]

 前回、「ボードゲーム市場の動向を把握するのは難しい」という話をしました(関連記事)。「今、世間で盛り上がっているボードゲームっていったいなんなの?」を知りたい人は、まずはゲームマーケットに足を運んでみることをオススメします。

 「ボードゲームのビジネス」といっても、その入り口は多岐にわたるようになりました。分かりやすいイメージとして、「ボードゲームをつくって売る」が思い浮かぶでしょう。しかし、「ボードゲームをつくる」「ボードゲームを売る」「ボードゲームで遊んでもらう」など、ボードゲームが関わるビジネスは細かく分かれていて、そのそれぞれでビジネスが成り立っているのです。「ボードゲームビジネスの今」がギュギュっと詰め込まれているのが、ゲームマーケットの魅力の一つといえるでしょう。

 「ゲームマーケットって同人の即売イベントじゃないの? コミケみたいな」と思う人も少なくないかもしれません。ゲームマーケットとは、“電源を使用しない”アナログゲームのイベントのこと。公式Webサイトには「アナログゲームの振興と、ユーザの交流を目的とした『みんなでたのしく』過ごせるイベント」と書かれていますが、始まった当初と現在の状況はちょっと異なっています。

ゲームマーケット2020秋のカタログの207ページで紹介されていた“ゲームマーケットのきっかけ”

 ゲームマーケットが始まったきっかけは、ボードゲームを多数所有しすぎて置き場所に困った“当時の先進的なボードゲーマーたち”が不用品を売り買いするために集まったともいわれています。

 当時、中古ボードゲームのフリーマーケットと個人サークルによる自作ボードゲームの試遊会が主体でしたが、回を重ねるごとに出展するサークルや企業、来場者が増え続け、2010年からはボードゲーマー有志からアナログゲームベンダー大手のアークライトスタッフによる運営へと切り替わりました。

 00年に開かれた第1回のゲームマーケットでは、32の個人ブースと400人が来場しました。新型コロナウイルスの感染が広がる前、19年11月には127の企業と632人の個人ブースが出展して、来場者は初日1万6300人、2日目1万3000人で計2万9300人まで増えました。

22年4月に開催されたゲームマーケット。新型コロナの感染対策のため規模や入場者数は制限されていたものの、かつてのにぎわいが戻りつつある

 ちなみに、感染が広がった20年3月と4月のゲームマーケットは中止。同年11月のイベントからは、規模を縮小した形で開催を続けています。直近の数字をみると、22年春の来場者は初日9500人、2日目6500人、計1万5000人なので、19年秋に比べると半分ほどにとどまっています。

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