JR東日本「変革2027」発表から4年 計画から大きくズレた“誤算“は:現実はどうか(2/5 ページ)
地方については、観光振興もテーマとなっている。インバウンド需要の拡大や地方への誘客により地域活性化を目指すとしていた。円安政策を長年続けているこの国では、インバウンド需要は拡大し、18年度には輸送サービス270億円、生活サービス150億円のインバウンド収入を計画。22年度は輸送サービス380億円、生活サービスを220億円と見通していた。
円安こそ続くものの、それは日本経済のファンダメンタルが弱いからであり、インバウンドを拡大することは日本円の弱さなくしては不可能なことだった。22年に入ってから進む円安でインバウンド需要は潜在的には高いものの、そもそも入国が難しい状態では外国人観光客を呼ぶことが難しいのである。
駅を中心としたまちづくりと地域活性化の計画
駅の地域拠点化も、郵便局や地域の施設と一体化するのならともかく、そもそも駅員をどんどん減らし、「みどりの窓口」を廃止、「話せる指定席券売機」ばかりになってはサービスどころではない。
地域の決済プラットフォームとして「Suica」を活用しようにも、まだまだSuicaが使えないJR東日本の駅は地方に多い。Suicaこそ駅員を減らすカギになりうるものの、Suicaに対応していない地域で省人化を進めるのは、単にサービスを低下してしまう状況となっている。
「地方を豊かに」という経営戦略は、現実の地方の衰退を前にしてどうしてもかすんでしまうことになり、うまくいっていない状況にある。
それどころか、JR東日本が駅窓口などのサービスを縮小することで、地方の衰退に手を貸してしまっているところがある。
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