クリスピーが復活した、もう1つの理由はなにか。「タッチポイント(顧客接点)」を増やしたことである。感染が広がる前から「テークアウト」「デリバリー」「キャビネット」にチカラを入れていて、コロナ禍の巣ごもり需要とうまく合致したことが挙げられる。
「そーいえばそうかも。以前は店内で食べていたけれど、家でもぐもぐすることが増えたなあ」と思われた人も多いかもしれない。大量閉店したことによって、当然、会社の売り上げは落ち込んだ。撤退ではなく、日本で復活するにはどうすればいいのだろうか。いろいろなことを考えていく中で、クリスピー社は「販売チャネルを増やしていって、お客さまとのタッチポイントを増やすことにチカラを入れました」(若月さん)
「テークアウト」「デリバリー」「キャビネット」の中で、特に大きく伸ばしているのが「キャビネット」である。商業施設の中にキャビネットを設置して、その中に定番の「オリジナル・グレーズド」などを並べたところ、どのような反響があったのだろうか。
スーパーで販売しているドーナツの近くに、クリスピーのキャビネットが設置されている。価格のことを考えると、毎回クリスピーを買うのは難しいかもしれないが、「仕事でちょっと結果を出せたので、そのご褒美に」「今日はちょっとぜいたくに」といった理由で、購入する人が増えているようだ。
キャビネットを始めたのは19年11月だったが、商業施設などから「ウチにも設置してくれないか」といった引き合いの声が続いていて、設置数は22月9月末時点で160台を超えている。
ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
なぜ山善の「焼肉グリル」は25万台も売れたのか 開発のヒントが面白い
ウェンディーズは「いま」どうなっているのか わずか1店舗からの“ウルトラC”
キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング