法律上は、リモートハラスメントに特有の規定はありません。法律的な問題に関しては、リモートハラスメントは、基本的には「リモート環境で生じる、パワーハラスメント(パワハラ)又はセクシュアルハラスメント(セクハラ)などのハラスメント」という整理で考えることになります。
例えば、厚生労働省が策定した「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、事業主は、職場におけるパワハラ、セクハラなどの防止措置を講じることが義務付けられており、テレワークの際にも、ハラスメントを行ってはならない旨を労働者に周知啓発するなど、ハラスメントの防止対策を十分に講じる必要がある旨が記載されています。
今回のケースは、部長が部下に対し、Web会議でのバーチャル背景の使用を禁止したというものですが、これがリモート環境で生じたパワハラであるか否か、という視点から見ていきたいと思います。
法律上、職場におけるパワハラは、
をいいます(※1)。
(※1)労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)第30条の2第1項
今回のケースでは、
という状況です。
一方、部長は、「過去に社外の会議で仕事にふさわしくないバーチャル背景を使用した社員がおり、取引先からクレームがあったから」「回線が重い時には、背景を設定しないほうがいいから」という理由でバーチャル背景の使用を禁止しており、部長の指示が「(2)業務上必要かつ相当な範囲を超え」ているか否かが問題となります。
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