阪急はなぜ「準特急」を導入するのか、ややこしい「列車種別」「準特急」復活(1/5 ページ)

» 2022年10月26日 07時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

 阪急電鉄(以下、阪急)は2022年12月17日のダイヤ改正で、「快速急行」を「準特急」に格上げする。阪急の「快速急行」は、神戸線では「通勤特急」と「急行」の間、京都線では「通勤特急」と「快速」の間の列車種別であり、主に朝夕に走っている。

 阪急の「快速急行」は特急よりも若干停車駅が多い程度であり、通勤帰宅時間帯に合わせて、停車駅を設定している。

 その阪急が、「快速急行」を「準特急」に改めることにした。24年に京都線で座席指定サービスを開始するにあたり、その対象となる列車を「特急」が付く「特急」「通勤特急」「準特急」とし、対象列車を分かりやすくする狙いだ。

阪急電鉄の列車種別と停車駅(出典:プレスリリース)

消えた「準特急」の復活

 「準特急」というと、どこかで聞いたことがある人もいるかもしれない。

 「準特急」は、特急と同じ停車駅でありながら特急よりもグレードの異なる車両を使用した場合や、特急よりも若干停車駅を増やした列車を走らせる場合に使用する列車種別である。

 22年3月のダイヤ改正で、京王電鉄から「準特急」の種別が消えたため、この種別は存在しないものとなっていた。

 京王電鉄の「準特急」は、高尾線内や、京王線でも笹塚・千歳烏山に停車することで「特急」との違いを保っていた。だがこれらの駅に「特急」が停車することになり、「準特急」は「特急」と統合された。

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