阪急はなぜ「準特急」を導入するのか、ややこしい「列車種別」:「準特急」復活(3/5 ページ)
関西圏で一部座席指定車両の先駆けとなったのは、京阪電気鉄道の「プレミアムカー」である。京阪電気鉄道は列車種別が10種類もあることで知られ、「快速急行 洛々」「ライナー」「特急」「通勤快急」「快速急行」など、上位種別でも細かく設定されている。
プレミアムカー連結の8000系特急車両(出典:プレスリリース)
「ライナー」は特急と同じ停車駅でありながら、全席指定である。これらの列車の多くに「プレミアムカー」が連結されている。時間帯によっては「プレミアムカー」のない特急もある。「特急」と「快速急行」の違いは、守口市・寝屋川市・香里園に停車するのが「快速急行」であり、そうでないのが「特急」で、遠近分離を果たしている。
そうなると、「プレミアムカー」連結の有無で「特急」系と「急行」系を分けていいと考えたくなる。それについては、全ての特急車両に「プレミアムカー」が連結されていれば問題は起こらないのだが、「プレミアムカー」の有無と列車種別を分けなければならない状況が京阪にはあるということだ。
このあたり、列車種別の設定とイメージの一体化がうまくいっていない一例かもしれない。特別車両を設けて快適なサービスを展開する企業戦略は正しいものの、それが分かりやすさと必ずしも一致できていないジレンマも感じさせられる。もし「快速急行」以上の列車すべてに「プレミアムカー」が連結できる状況になったら、「準特急」で特別なイメージをつくりやすくなる。
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