「多機能トイレから10代女性2人がバチバチに仮装して出てきた」──ハロウィン直前の10月30日、こんな投稿がTwitterで注目を集めた。投稿したのは子連れの母親とみられ、投稿者は「子供のおむつ替えできる場所が駅の多機能トイレしかなく、30分以上待っていた」と当時の状況を説明。「多機能トイレはメークルームではない」と憤りを示し、大きな反響を呼んでいる。これに対し、渋谷駅を運営するJR東日本などは「着替え場所としての利用をご遠慮いただくなど、適正に利用してほしい」とハロウィンイベントの参加者に呼びかけている。
例えば、札幌市は公表資料で多機能トイレについて「車いす使用者が利用できる広さや手すりなどに加えて、オストメイト対応の設備、おむつ替えシート、ベビーチェアなどを備えることで、車いす使用者だけでなく、高齢者、内部障がい者、子ども連れなどの多様な人が利用可能としたトイレのこと」と説明している。当然のことながら、健常者が着替えやメークの場所として利用することは想定していない。
JR東は取材に対し「バリアフリートイレは、お身体の不自由なお客さまのほか、ベビーカーご利用のお客さま、ご高齢のお客さまや外見ではわからない障害のあるお客さまなど、バリアフリートイレを必要としている多様なお客さまにご利用いただいている」と説明。「バリアフリートイレを必要としている多様なお客さまが安心して快適にご利用いただけるよう、着替え場所としての利用はご遠慮いただきたい」とコメントしている。
渋谷駅周辺で「渋谷ストリーム」「渋谷ヒカリエ」などの商業施設を運営する東急も対策を強化中だ。同社広報は「現在、利用者からの苦情は来ていない」とした上で「ハロウィン関連での利用を見越し、巡回警備を強化している。トイレでの着替えや化粧目的での利用が明らかな場合は声がけをする」と強調した。
渋谷駅に乗り入れる東急電鉄も同様に、ハロウィン前から駅構内の多機能トイレを中心に「トレイ内での着替えや化粧はお控え下さい」とする内容の注意喚起のポスター(日英2カ国語表記)を掲示し、周知に努めている。同社は「着替えや化粧で利用することで、利用を希望する他のお客さまのご迷惑になる。着替え場所などとしての利用はご遠慮下さい」と語気を強めた。
ハロウィンを巡っては、京王電鉄が「仮装して乗車しないで」、東京マルイが「公共の場でエアガンを見せないで」とそれぞれ呼び掛けている。
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