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産業医が警告! 優秀社員の“突然の休職”を引き起こす、テレワークの意外な注意点とは?どうやって防ぐ?(1/6 ページ)

» 2022年11月01日 07時00分 公開
[志村哲祥ITmedia]

 2022年に入り、テレワーク推進の流れが加速しています。4月にはヤフージャパンが交通費を月額15万円まで支給し、飛行機通勤も認める制度を開始。7月にはNTTグループが「原則テレワーク勤務」となり、出社は出張扱いにするという運用を始めました。

 一方で、自律神経を測定することで、無自覚のストレスも可視化するアプリ「ANBAI」を用いた調査では、1日4件以上の会議を境に、休職するリスクの高いビジネスパーソンが急増、37%に達することが明らかになっています(調査はワーク・ライフバランスとDUMSCOが実施)。

 また、筆者が籍を置く東京医科大学の調査では、フルリモートワークでは生産性が下がることが明らかになっています(関連記事)。

画像は筆者作成

 このように、テレワークには「やりすぎ注意」な一面があります。放置すると、優秀な社員が突然体調を崩して休職するなど、企業にとっても大きなダメージにつながります

 そうしたリスクを認識したうえで、対策を講じながら、テレワークの活用を上手に続ける企業も存在します。今回の記事では、有効な対策を講じている企業の取り組みを産業医視点で紹介します。

著者:志村哲祥(しむら・あきよし) 精神科・心療内科・睡眠医学・産業医

東京医科大学精神医学分野兼任講師。株式会社こどもみらい R&D統括。睡眠およびメンタルヘルスと企業の生産性やストレス対策に関する研究のトップランナー。

産学連携企業において、「利益の出る健康経営」「睡眠改善プログラム」の取り組みを行い、複数の学校で退学率90%減、コールセンターにおいて離職率74.5%減を達成するなど、さまざまな成果をあげる。

また、そのノウハウをもとに、本人が自覚しないストレス「隠れストレス負債」を発見、改善するアプリ「ANBAI」(提供:DUMSCO)も監修する。

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