#SHIFT

産業医が警告! 優秀社員の“突然の休職”を引き起こす、テレワークの意外な注意点とは?どうやって防ぐ?(4/6 ページ)

» 2022年11月01日 07時00分 公開
[志村哲祥ITmedia]

1日4件の会議に参加しながら、リスクを軽減する「会議間インターバル」

 そして、もう1つのテレワークの「やりすぎ注意」が、「1日4件」以上の会議です。

 冒頭でもご紹介したように、1日4件以上の会議を境に、ストレス状態の高いビジネスパーソンが急増。37%に達することが明らかになりました。

 しかし、会議が連続する場合、少なくとも5〜10分の休憩を「会議間インターバル」として取り入れることで、メンタルヘルスリスクが低減されることがワーク・ライフバランスとDUMSCOの調査で明らかになりました。

画像はDUMSCO提供

 適切な「インターバル」は重要です。

 いくつかの理由があります。例えば、自律神経のバランス。人が活発に活動するための、車のアクセルに相当する役割の交感神経と、安静時や睡眠時などに体を回復させる、車で言うブレーキに相当する役割の副交感神経があり、これら2つのモードが、環境の変化に合わせて自律的に調整されています。

 人が活発に活動するためには、交感神経が働く必要がありますが、環境負荷が強すぎると、心身ともに疲労してしまうため、身体を休ませるモードである、副交感神経とのバランスが重要になります。

画像はDUMSCO提供

 長時間会議に参加すると、「臨戦態勢」が継続してしまいますが、適度に会議間にインターバルを挟むことによって、適度なバランスが維持されていることが考えられます。

 また、座位行動と呼ばれる「座りっぱなし」の弊害も明らかになっています。長い時間同じ姿勢でいることはそれ自体が健康を害してしまいます。適宜、少し立ち上がったり、散歩したり、ストレッチしたりして、体を動かすことは、とても重要です。

会議間インターバルを仕組み化した「45分会議」

 この会議間インターバルを「仕組み化」している企業の1つが、2006年の創業以来テレワークを導入している、ワーク・ライフバランス社の「45分会議」です。

 上述の調査において、会議間インターバルを「意識はしているが、実践できない」方が27%存在することが明らかになっていますが、その要因の1つは会議時間が基本「30分」「60分」単位で設定され、インターバルが保ちにくいことにもあると思います。

画像はDUMSCO提供

 そこで、ワーク・ライフバランス社では、45分会議を基本フォーマットにしています。ワーク・ライフバランス 大塚万紀子氏は「そうしたインターバルの“いつの間にか”消失を予防しています。リモートワークによって失われた、移動時間という名の休憩時間を、リモートワークでも確保する仕組みの構築は、企業側の責務」と語っています。

ワーク・ライフバランス提供

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.