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「仕事ができない人」に特有の、3つの思い込み働き方の「今」を知る(4/6 ページ)

» 2022年11月10日 07時00分 公開
[新田龍ITmedia]

(3)「できない人」ほど、強みや適職を探し続ける

 「自分探し」「やりたいこと探し」「適職探し」──われわれの周辺には探すものがたくさんある。

 読者諸氏の中にも、職場で雑用やルーティンワークを命じられるたびに「こんなことばかりやってて、スキルになるんだろうか?」「自分が周囲の人たちよりも優れてる強みって何だろう?」「自分の本当の力が発揮できる、ピッタリの仕事がどこかにあるのでは……!?」などと、漠然とした不安のような、焦りのような気持ちを抱く人もおられるのではなかろうか。

「自分の本当の力が発揮できる、ピッタリの仕事がどこかにあるのでは」という、漠然とした不安(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 筆者自身も、転職支援のキャリアコンサルティングをしていた会社員時代は、それこそ毎日のように「やりたいことが分からない」「やりたいことが見つからない」と嘆く人、今の仕事に「これでいいのか?」「もっと自分に合っていることがあるのでは?」と迷う人の相談に乗っていた。中には「やりたいことがない自分はダメ」「適職に巡り合えなかった自分は人生に失敗した」などと、ほぼ強迫観念のような感情を抱く人もいたほどだ。本来「やりたいこと」や「適職」など、そのような義務感に駆られるものではないはずなのだが……。

 もちろん例外はあるものの、往々にして「やりたいことがない」「自分に合う仕事がどこかにある」と考える人たちには、共通点が存在する。それは、「『どうしよう……』と焦っているだけで、実際は何も行動していない」ということだ。

 自分からアクションを起こさないまま、「やりたいことがない」「自分に合う仕事がない」と言っているだけ。少なくとも「何かないかなあ……」とは考えているのかもしれないが、それも結局「イメージしているだけ」「妄想しているだけ」にすぎない。しかし、それでは順番が逆なのだ。

 まず「強み」から考えていこう。とはいえ、「あなたの強みを教えてほしい」といきなり問われても、普段特に意識することがない限り、すぐに出てくることはないだろう。あらためて考えたとしても、「粘り強い」とか「主体性がある」といった、就活時の「自己分析」の延長線上で、なんとなく自分で意識している要素が思い出される程度ではなかろうか。

 しかし、自分自身で認識できている自分の強みなど、あくまで真の強みのごく一部にすぎないのだ。信じられないなら、ぜひあなたの周囲の複数の人に、あなたの強みは何かと問うてみてほしい。恐らく、「あなたが特に気負うことなく、意識せずとも、普通にアッサリできてしまうこと」が挙がってくるのではないだろうか。実はそれこそが、あなたにとって真の「強み」なのだ。自分にとっては当たり前すぎるため、なかなか意識できる機会も気付ける機会もないだけなのである。

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