自治体DX最前線

豊橋鉄道×豊橋市×テクテクライフ、スタンプラリーのDXで観光力アップ杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/7 ページ)

» 2022年11月19日 07時26分 公開
[杉山淳一ITmedia]

網走の成功談がきっかけ

 「テクテク豊橋ブラ散歩」のきっかけは、位置情報を使ったゲーム「テクテクライフ」が行った2つのコラボだった。1つは北海道網走市とのコラボ「テクテク網走めぐり」、もう1つは釧網本線沿線のコラボ「テクテク釧網本線めぐり」だ。

 「豊橋鉄道も渥美線と市内線で、ほぼ毎年スタンプラリーをやっていました。紙のスタンプシートで、参加条件はワンデーフリー乗車券の購入です。これを毎年のようにやってきたところ、人気があって、根強いファンの方もいらっしゃる。そんなときに網走市の取り組みを知りました。地域のスタンプラリーをテクテクライフのようなゲームとしてやれたらおもしろいと思いました。ちょうど社内でDXに取り組みたいという課題もあって、いろんなビジネスの種を探しているなかで、杉山さん(筆者)の記事を見つけたんです」(豊橋鉄道 総合企画部 河合秀文氏)

北海道のローカル線を盛り上げる位置情報ゲーム「テクテクライフ」、仕掛け人に聞く(21年11月7日の本連載)

「位置ゲー」はローカル線活性化の切り札になる(21年11月27日、東洋経済オンライン)

 「テクテク豊橋ブラ散歩」は、スマートフォンアプリの位置情報ゲーム「テクテクライフ」を使う。参加条件は豊橋鉄道のモバイル版フリーきっぷ「いこまい豊橋 電車バス1日フリー乗車券」を利用すること。豊橋鉄道ではほかに従来の紙のフリーきっぷも販売しているけれど、モバイル版だけに表示される「いこまいコード」がスタンプラリーのチェックポイントで必要になる。この仕掛けはモバイルチケットの利用を促している。

スタンブラリー参加手順。スマートフォンを使い慣れている人なら簡単だ(出典:CDG、豊橋市でスマートフォン向け位置情報ゲーム『テクテクライフ』を使った「テクテク豊橋ブラ散歩」開始!

 あとはゲームを起動し、チェックポイントを巡る。スタンプラリーは5つのコースがあり、各コースですべてのスタンプを集めると抽選に応募できる。景品は鉄道模型や豊橋鉄道グッズ、豊鉄バスグッズなど。乗り物ファンに片寄った内容のような気がするけれど、豊橋市の人々にとって豊鉄は馴染みの会社だから、地元の人々も楽しんでいるようだ。

アプリでチェックポイント付近に近寄るとチェックインできる。チェックポイントによっては店内に掲示されたキーコードが必要で、来訪者による消費を促せる

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