今回は「豚の旨煮」など3種類の販売は停止する。新たに「酢だこ」「小肌の酢漬」「里いも煮」「しいたけ煮」「伊達焼」「白海老だし巻きたまご」「市松ようかん」「白梅ようかん」の8種類を開発した。過去最高の45種類のラインアップとしている。
近藤副本部長によれば、前年は高級路線が求められていたものの、このところのインフレによって風向きが変わったという。
「いろいろな商品の値上げによって顧客の財布事情が厳しくなっています。100円おせちは大勢の人に喜ばれることをポイントとしています。今回は、煮物といった一般的に喜ばれる料理と、家でお酒を飲む方もいらっしゃるので海産物のおつまみなどを提案することにしました」
高級路線から親しまれやすいメニューに方向性を変えたのだ。
ローソンストア100では、価格を100円にする要素について、以下の5つの要素があることをこれまで明らかにしてきた。
1=「オフシーズンの工場を活用」する。稼働率の向上は製造業にとっての基本だが、それを忠実に実行した。
2=「サイズ不選別」とする。選別する手間ひまをかけない。
3=「早期の数量を確約」する。これにより取引先は原材料の安い時期に計画的に仕入れをすることが可能で、また早く売り上げが確定できるため、ウィンウィンの関係となる。ここ数年叫ばれている原材料費の高騰も乗り切ることができた。
4=「工場の計画的稼働・効率化」を図る。
5=「大量発注・大量生産」をし、規模のメリットを最大限に生かす。
ただ、オミクロン株が主流となり社会活動が元通りに近づいてきている。また、需給ギャップによる原油高、ロシアのウクライナ侵攻という複数の要因が絡み、全世界的にインフレ基調となった。
それでも100円を維持できた理由について近藤副本部長は、「物流システムの改革と原材料・資材を早期に確保したことが要因」と話す。
これまでは、各メーカーが商品を作り、それぞれが配送センターまでトラックで運んでいた。
「今回からは、当社が契約した配送会社またはメーカーに委託して配送トラックを配送する形にしました。例えば、トラックは各店に通常の商品配送を終えると、車中は空になります。その空トラックが各メーカーの工場に回って商品をピックアップし配送センターに戻るという『引き取り型の物流』に変えたのです」
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