ネット銀行のシェア拡大続く 10年前から6倍に（1/2 ページ）

[コネムラメグミ，ITmedia]

　帝国データバンクは、「2022年 全国企業『メインバンク』動向調査」の結果を発表した。全国メインバンク社数トップは14年連続で「三菱UFJ銀行」だった。都市銀行は減少傾向である一方、「ネット銀行（新形態の銀行）」は、他業態に比べ大幅なシェア拡大を続けている。

帝国データバンクは、「2022年 全国企業『メインバンク』動向調査」の結果を発表した（画像はイメージ）

　2009年の調査開始以降、14年連続トップの「三菱UFJ銀行」の企業数は9万5718社だった。全国シェアは6.53％と、前年から0.11ポイント減となり、13年連続でシェアは縮小している。減少幅は21年に続き、全金融機関で最大となった。

　2位は「三井住友銀行」で7万6880社（シェア5.25％）。シェアで0.08ポイント、社数で約560社の減少だった。3位の「みずほ銀行」もシェアで0.06ポイント、社数で400社超も減少している。

　都市銀行（メガ）の上位3行のメイン社数は昨年比で約1800社、シェアで計0.25ポイント減少した。昨年に比べて幅は緩やかではあるものの減少傾向は続いている。一方で「りそな銀行」（3万753社、シェア2.10％）、「埼玉りそな銀行」（1万7593社、同1.20％）はともに社数で増加した。

　地方・第二地方銀行でメインバンク社数が最も多かったのは「北洋銀行」（2万3965 社）となっている。次いで「福岡銀行」（2万2096社）、「千葉銀行」（2万1422社）だった。上位10行のうち「千葉銀行」は最もメインバンク社数を増加させている。

　全体で最もメインバンク社数が増加したのは「多摩信金」（7212社）で、前年から352社増加。上位60行庫でも300社を超える増加幅だったのは「多摩信金」と「宮崎銀行」（9519社、前年比313社増）の2行庫のみだった。

メインバンク者数　上位60行庫（出所：プレスリリース、以下同）

業態別では

　業態別では、シェアが最も高いのは「地方銀行」で40.52％となり、全業態の中で唯一3年連続してシェア4割を超えている。次いで「信用金庫」（シェア23.47％）は4年連続でシェアが拡大し、拡大幅は0.08ポイントと全業態中最大だった。「農協」（シェア1.24％）もシェアが拡大していて、09年からのシェア拡大幅は地方銀行に次いで大きい。

業態別シェア　上位順

　一方、全国で3メガを含む「都市銀行（メガバンク）」 のシェアは19.30％で、前年を0.24ポイント下回り過去最低を更新。シェアの低下幅は過去最大でシェア縮小の傾向が続く。「第二地方銀行」（シェア9.64％）は4年連続で1割を下回り、2年連続で縮小した。