そして今後の見通しとしては、コロナ以前と比べて第3四半期(22年10〜12月)で国内線が90%、国際線が40%、第4四半期(23年1〜3月)では国内線が95%、国際が55%までの回復見通しとなっています。
そして22年度末には国内線はコロナ禍前の水準に回復し、国際線では60%までの回復を見込んでいます。
JR東海は第4四半期で8割程度、JR東日本は22年度末時点で新幹線が90%程度の回復を見込んでいますから、国内線はかなり早い回復の見通しを立てていることが分かります。
飛行機はダイナミックプライシングが導入されている一方で、鉄道は基本的には固定料金です。結果として平日のLCCでの航空機での移動の方が料金的にも安くなることが多いため、大きく伸びていたLCCを中心に需要回復が進む可能性もありそうです。
また、通期業績に関しては上方修正をしていて売り上げは400億円、営業利益は150億円、純利益は190億円の上方修正を行っています。
そして上方修正の要因は国際線です。
日本の水際対策の緩和を受けて需要の回復が加速しているとしています、北米線、アジア・オセアニア線を中心に予約数が戻ったことで計画を上回る見通しです。
最近では海外からの観光客の方を街中で見かける機会も増えてきているように、日本からの渡航者だけでなく、日本の観光需要も回復しています。
とはいえ日本への訪日外国人で圧倒的に規模が大きいのは中国で、韓国や台湾、香港といった近隣の東アジアの地域がそれに続きます。そして日本からの渡航先としてもこれらの地域は規模が大きいです。
東アジア地域はコロナに対しては比較的厳格な対応を取っていますし、中国に関してはゼロコロナ政策で緩和の状況は非常に遅いです。このため国際線での十分な回復はまだ時間がかかるでしょう。
ANAでは大幅増収で、黒字転換まで業績は回復しています。とはいえコロナ以前の水準まではまだ遠い状況です。
そんなコロナ以前より大きく伸びていたのはLCCで、国内線の数時間のフライトであればLCCを選ぶ人が増加しており、LCCが浸透していることが関係しているようです。
ANAは今後、23年の3月末時点で国内線は21年比で100%まで回復する見通しを立てているものの、国際線は60%の見込みです。
国際線に関してはゼロコロナ政策をとっている中国を中心に、比較的コロナに対して厳格な対応を取っている東アジア地域では緩和が比較的遅いことを受け、低調な状況が続くと考えられます。
決算は現場にある1次情報とメディアで出てくる2次情報の中間1.5次情報です。周りと違った現場により近い情報が得られる経済ニュースでもあります。上場企業に詳しくなりながら、決算書も読めるようになっていく連載です。
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