ローストビーフ25枚──サブウェイが東大の店舗限定で提供する“幻のメニュー”の正体(2/2 ページ)

» 2023年01月15日 08時39分 公開
[樋口隆充ITmedia]
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東大生のアイデアがきっかけの限定メニュー

 他の店舗にはない、東大限定メニュー。どのような経緯で誕生したのか。同社広報によると、かつて店舗で実施していたキャンペーンがきっかけだという。同店舗では来店者にスタンプカードを配布し、スタンプが貯まるとサンドイッチ1個が無料になるという特典を提供していた。

 そんなある日のことだ。スタンプが貯まった東大生が来店。1個無料ということで、その学生は最も価格が高いローストビーフのサンドイッチを注文した上で、さらにローストビーフをトッピングしたという。

 あまりに豪華なボリュームだったため、その様子を見ていた周囲の来店者や店舗スタッフも「これはすごい! 名前をつけて販売しよう」と盛り上がり、最終的に限定メニューとして商品化が決まった。

 広報担当者は同店舗について「学生や大学関係者などの常連の方が多く、他の店舗よりもお客さまとの会話が生まれやすい」と説明する。利用者との距離感と、現場の柔軟な判断が限定メニュー誕生につながったのだ。

 販売開始以降、購入者からは「インパクトがすごい!」「SNS映えする!」「ボリュームがすごい!」などの声が出ているといい、評価は上々のようだ。

 東大の公式Twitterアカウント(@UTokyo_News)でも紹介されており、今や大学公認の“名物商品”となっているようだ。こうした大学限定メニューは「他の店舗でも存在しない」(広報)といい、同社としては異例の対応といえる。

東大生に愛されすぎて閉店話も吹き飛んだ

 店舗が限定メニューが東大関係者にいかに愛されているかを示すエピソードがある。同店は、コロナ禍での休講やオンライン授業への移行で来店者が激減。売り上げ不振に陥り、閉店が決まりかけていた。

 だが、学生らから閉店を惜しむ声が相次ぎ、一転して営業継続に。限定メニューなどでファンとなった常連の“サブウェイ愛”が店舗の危機も救ったのだ。

photo 東京大学本郷キャンパス(出典:東大公式Webサイト)

 チェーン店であっても、他の店舗にはない限定メニューを提供するケースはよくあるが、それが利用者の拡大、ファンの創出につながると改めて証明されたようだ。

 短縮営業中のため、店舗の営業時間は平日の午前10時から午後3時まで。土日・祝日は休みとなっている。

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