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【人的資本開示】どんな項目を開示すべきか? 3つのポイントと具体的なアクションステップを解説連載「情報戦を制す人事」

» 2023年01月17日 11時50分 公開
[伊藤裕之ITmedia]

連載「情報戦を制す人事」

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 近年、注目が集まる「人的資本開示」。ESG投資家や労働市場など、社外のステークホルダーの視線を意識する他、有価証券報告書への記載が義務化されたこともあり、早急に取り組もうと考える企業が多いようです。そんな企業の担当者が頭を抱えるのが、「一体、どんな項目を開示したら良いのか」ということです。

 本稿では、人的資本開示のポイントや、項目の選定のための考え方、具体的なアクションステップなどについて解説します。

photo 画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

「人的資本」とは? どんなルールが決まった? 近年の動向おさらい

 「人的資本」とは「モノ・カネ」のように、「ヒト」の持つ能力を資本としてとらえた経済学の用語です。個人が身につけている技能・資格・能力などのことを指し、人的資本への投資は、生産力や経済活動への貢献につながるとされます。

 また、人的資本への投資は、健康状態の改善、個人の幸福感の向上、社会的結束の強化など、多くの非経済的利益をもたらす重要なものです。そして、最終的には経済的利益につながる、と広く定義されることもあります。

「人的資本開示」に向けて取り組んできた岸田政権

 2021年12月、岸田首相の所信表明演説で「企業における人材投資の見える化」「非財務情報の開示推進」が取り上げられたことを契機に、国や政府の各種研究会を中心に、開示に向けた枠組みやルール整備の方針が発表されました。

 22年5月には、 「人材育成」や「多様性」「健康安全」「労働慣行」など、7つのカテゴリーに基づく19項目の指標の開示や、一部項目の有価証券報告書への記載の義務付けが報道されました。

 6月の「骨太方針2022」では、「新しい資本主義に向けた重点投資分野」が示され、その冒頭に「人への投資と分配」が掲げられ、人的資本投資や多様な働き方の推進を宣言しました。そして、10月には政府の支援策として、これまで3年で4000億円としてきた人への投資関連の政策を5年で1兆円に拡充する方針を明らかにしました。

23年3月期の決算から、有価証券報告書への記載が義務化

 また、金融庁は23年3月決算の有価証券報告書で、上場企業約4000社を対象に、財務諸表だけではなく、人材の育成方針や職場環境の整備など、人的資本の充実に向けた方針や施策、指標などの記載を求めるなど、もはや企業にとって「人的資本開示」への対応は待ったなしの状態です。

具体的な「人的資本」の開示項目

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