ちなみに、大創産業が新ブランドで展開している300円という価格帯は、すでに駅ナカや商業施設等を中心に展開する「3COINS」が先行例として存在するため、後発で成功するのかについてはちまたの反応が分かれているようだ。
筆者としては、あえて300円台にこのタイミングで入り込むことが、市場のシェア獲得へ有利に働くとみる。理由としては、昨今のインフレによって、これまで100円で展開していた商品が150円で売られるのと同じように、既存の300円ショップ業者についても、商品の内容量などを減らすような「実質値上げ」ないしは、高価格帯商品の割合を増やすといった対応に迫られるはずだからだ。
そうすると、各事業者は玉突き的に一段ずつ平均的な価格水準が上がっていくと考えられる。そのため、今の物価で見た「300円」という価格帯に、これまで生じていなかった“空白地帯”も見えてくることになるだろう。
大創産業には、これまで原則として「100円」という縛りの中で品質にも相当に配慮した製品づくりを行っていたこともあって、コスト感や製造戦略でも、既存のプレーヤーに対して分があると考えられる。
ダイソーはダイソーれたことをやり続けます――50周年で表明した同社の姿勢からは、それが単なるお題目にならない本気度がにじんでいる。
1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレイスを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CEOとしてビジネスモデル構築や財務等を手がける。Twitterはこちら
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