当然ながら、生まれた時代、育つ時代が違えば、環境も教育も変わり、物事の見方や切り取り方、育まれる感性、働き方や生き方の価値観も進化します。とりわけZ世代は若い頃からスマホやタブレットをシュシュっと操り、SNSを活用したコミュニケーションを日常的にしてきた「デジタルネイティブ」です。
指一本で海を越え、多種多様な国籍の人たちと交わり、環境問題や人権問題を教育され、社会問題にも積極的に関わってきました。まるで近所に買い物にでも行くように、リュックサックを片手に被災地などのボランティア活動に参加する若い人には、感動すら覚えます。「ああ、私にはできなかったことだ」と。
しかも、例えばSDGs(持続可能な開発目標)など、昭和おじさんやおばさんがいまだに理解していない言葉を彼らは日常的に使うのです。むろん、全てのZ世代がそうだとは言いません。「SDGsに関心があるのは一部だけ」というアンケート結果もあるようですが、それでもやはり、昭和世代にはない彼らの視点から学ぶことは多い。それだけに、彼らの扱いに手こずろうとも、彼らの言動に違和感を覚えようとも、「おっしゃる通りです」と賛同するしかなくなってしまうのでしょう。
いすれにせよ、どんな時代に生まれ、育とうとも、同じ「人」。本質的にはなんら変わりありません。
話しかけ方や伝え方、やる気の出させ方といったスキル的な部分は、時代によって変える必要がありますし、実際に変わってきました。“パワハラ”や“セクハラ”という言葉がなかった時代に「許されていた理不尽な言動」は、今では完全にアウトです。しかし、「何が人を成長させるのか?」という問いの答えに、時代は関係ありません。
「現場で学び、現場で悩み、現場で熱くなる!」──現場での経験が、人を成長させます。
どんなに研修をやろうと、どんなに持ち上げようとも、現場で頭と体を使い、とことん考え=学び、とことん苦労し=悩み、誰かと一緒に一つの目標に向かって「熱くなった経験」が、人を一回りも二回りも大きくします。
それを実現するには「全ての働く人の才能やアイデアが発揮できる機会を作り、それを受け入れる覚悟」がリーダーに必要不可欠です。
「部下に嫌われたくないから〜」「自分の責任にされたくないから〜」など、内向きな姿勢ではまったく効果は出ません。たとえ「自分が正しいと思ってやってきたこと」「自分が上の世代から受け継いできたやり方」を否定される事態になっても、ありのままの現実を受け入れる勇気が欠かせないのです。
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