同社の商品は「直火焼き」であることが最大の特長。他チェーンは鉄板での調理が多いが、直火焼きにこだわることで、他社にはない“バーベキュー感”を訴求している。
かつてはインパクトがある「大きさ」ばかり押していたが、20年から「直火焼き」というワードを前面に打ち出して宣伝活動を実施。より「味」にフォーカスして消費者に訴えている。
実際に、同社が毎年実施しているブランド力調査では「ベストバーガー」「ベストビーフバーガー」「ベストテイスト」で1位を獲得。バーガーそのものへの評価が高いのに対して、「ベストバラエティ」「ベストプロモーション」などの項目ではマックの方が高い評価を集めているという。
野村氏は「プロモーションやバラエティで1位になりたいわけではありません。私たちの価値は『味』に置いています」と語る。
「私たちのミッションは、日本の人々においしいバーガーを伝えること。日本にはマックのバーガーしか食べたことがない方がたくさんいらっしゃると思います。直火焼きのバーガーを食べてもらい、『本当のバーガーというのはこういうものだ』と伝えていくことが私たちの役目なのです」
「フレンチフライやナゲット、デザートで勝とうとは思っていませんが、バーガーになったら絶対に負けたくないですね。『腹が減った』と思った時に近くにあるのがマクドナルドで、『バーガーが食べたい』というときに選ばれるのがバーガーキングでありたいと思っています。バーガーを食べたいというタイミングでマクドナルドに行く人はターゲットに置いていません」(野村氏)
味への絶対的な自信があっても、初回の来店につながらなければ意味がない。同社は2個セットで安く提供するなどの割り引きキャンペーンを積極的に行っている。利用者に驚きやお得な体験を提供し、1回目の来店を促す。
「割り引き施策は奇襲攻撃です。バーガーキングはマックやモスと比較して認知度がまだないので、その穴を埋めるために割り引き施策を実施。1回食べてもらえば、もう他社にはいかないだろうと自信を持っています」(野村氏)
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