楽天の参入を可能にしたのは、仮想化技術による低コスト化です。同社によれば設備投資は40%削減、オペレーションコストは30%削減ということです。
とはいえ、これは事業提供者側のメリットでありユーザーのメリットではありません(コスト削減が低料金につながるので全く関係ない訳でもありませんが)。ユーザーが伸びなければ、事業としてはもちろん苦しくなります。
ではどのようにユーザーを獲得していく予定だったのかというと、それは低料金です。楽天モバイル参入以前の国内の通信市場は、割高の月額料金がスタンダードでした。
ここに「データ利用無制限で2980円」という低価格のプランで殴り込み、一気に顧客を獲得しようとしたのが楽天モバイルです。しかしご存じの通り、楽天参入後に大手キャリアも格安プランを導入したことで競争力は低下し、料金プランも大きな見直しを迫られました。
結果としてプラチナバンドを持っておらず、基地局も整備段階だった楽天モバイルはユーザーの「つながりにくい」という評価も目立ち、契約は伸び悩みました。
楽天だけではなく、他社の格安プランもプラン変更をする人は想定より少なく推移している状況です。その点も当初の想定を下回る要因となっているでしょう。契約は伸び悩み、苦しい状況にいます。
回線数は以前から提供していたMVNO回線含め506万回線を獲得していますが、1G以下無料のプランを提供していた第1四半期の568万人回線をピークに減少が続いています。料金プラン変更は一時的な減少要因ではなく、継続して減少が続いてしまっており、顧客獲得は苦戦しています。
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