最後に、今後の業績改善にのために重要な取り組みについても触れておきます。つながりにくいという評価がある程度定着してしまった楽天モバイルにとって、プラチナバンドの導入も重要です。
プラチナバンドの割り当て自体は決定しており、楽天は24年3月からの開通を目指すとしています。
しかし22年11月のプラチナバンド再割り当ての際に出した総務省の移行スケジュールによると、標準5年ほどを要する見込みです。楽天モバイルの目指している24年3月とは差が大きいです。
というのも総務省が想定していた移行イメージは、使用開始して以降徐々に無線局数が増えていき、移行が完了するというものです。つまり、楽天が掲げる24年3月とは、文字通り使用開始の時期であって、一部のユーザーが使えるだけということでしょう。
このためプラチナバンドを使用開始できたとしても、無線局数が増えていくまではつながりにくい状況はしばらく変わらない可能性が高そうです。この点を考慮しても、顧客獲得ではしばらくは苦しい状況が続きそうですね。
また、楽天モバイルは23年初旬に法人サービスをスタートさせると発表しています。
ただ、この法人向けも成長の見通しが明るくはなさそうです。
基地局整備は続くものの、プラチナバンドはまだしばらく時間がかかり、つながりにくい状況がまだ数年かかる可能性があります。また、個人のユーザーが加入する要因である楽天経済圏との相乗効果も、法人契約ではメリットが大きくはありません。顧客獲得が大きく進む要因になるとは考えづらいと言えるでしょう。
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