大企業を中心に賃金アップの表明が相次いでいる。もはや給与アップができることが一流企業の証であるかのような雰囲気ですらある。
当然これは働き手にとっては大歓迎の話だ。これだけ物価や光熱費が上がるなか、賃金を大幅に上げてくれるというのだからありがたい話だ。
しかし、本当にビジネスパーソンにとってありがたい話なのだろうか。
岸田首相は施政方針演説で「人材の獲得競争が激化する中、従来の年功賃金から、職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される日本型の職務給へ移行することは、企業の成長のためにも急務です。本年6月までに、日本企業に合った職務給の導入方法を類型化し、モデルをお示しします」と述べた。
時の総理大臣自ら、給与の支払い方まで言及したのには驚いたが、要はいち早く「職務給」つまりジョブ型賃金に移行しろという話だ。
多くの大企業がこのコメントを踏襲しており、たとえば、ジャパネットホールディングスは、「グループ横断の改革・戦略・企画を先導する新たな職種の新設と、既存の職種については役割や責任などを明確にした人事制度へと再編をいたします。また従来の年齢給を廃止し、職種によって基本給の差を設ける職能給とすることで、従業員の技能・知識や業務成果を報酬へと反映できる仕組みへと刷新。この職能給の総額を引き上げ、加えて大卒新卒採用の初任給を約2万円引き上げます。」と発表している。
これは、ジャパネットだけのことではなく、いま賃上げを謳う大半の企業の代弁だろう。
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