消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化──このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
不動産や住宅情報のポータルサイトを運営するLIFULLは、住みたい街ランキング(首都圏版)のTOP100に入っている駅の数を沿線別に集計した「LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街が多い路線ランキング」の賃貸編と購入編を発表した。賃貸編の1位は「JR総武線/総武本線」(19駅)、購入編の1位は「JR京浜東北・根岸線」(16駅)だった。
1位の「JR総武線/総武本線」は運行距離が長く、乗り換えなしで「東京」や「新宿」にダイレクトでアクセスできる点が特徴。都内屈指のベッドタウンとして知られる「三鷹」や「吉祥寺」、「荻窪」などと直結している点も人気の要因だ。
城西から都下方面にかけ「三鷹」「吉祥寺」「荻窪」「中野」などの人気エリアや、「小岩」「市川」「津田沼」など城東から千葉方面の街がある他、都心に近い割に賃料相場が比較的安価な「両国」「錦糸町」「市川」「本八幡」など城東エリアの駅がランキングを押し上げる形となった。
2位の「JR中央線/中央本線」(15駅)は8駅がJR総武線と重複するが、「三鷹」以西の「国分寺」「国立」「立川」「八王子」など7駅がトップ100にランクインした。1位のJR総武線同様に都心と人気のベッドタウンを結んでおり、快速・通勤快速・特快などがあり運行距離の割には移動時間が比較的短い「タイパ(タイムパフォーマンス)の良い路線」との評価もある。
山梨県や長野県方面からも都心にアクセスできるため、コロナ禍で増加した「転職なき移住」を支える動脈にもなっている。
同じく2位の「JR京浜東北・根岸線」(15駅)は首都圏を南北に結ぶ主要路線。「浦和」「上野」「東京」「新橋」「品川」などのターミナル駅に通じており、交通利便性が高い路線の1つだ。駅勢圏の広い「大宮」「浦和」「川崎」「横浜」といった駅だけでなく、都心に近い割に賃料相場が比較的安価な「蕨」「西川口」「田端」などもトップ100入りしている。
4位以降は、「JR湘南新宿ライン高海/宇須」「JR埼京線」「東京メトロ東西線」「東急東横線」「JR常磐線」「JR東海道本線」「JR山手線」だった。
LIFULL HOME'S総研のチーフアナリストである中山登志朗氏は「首都圏を東西に走る代表的な2路線と南北につなぐ路線が上位となった。テレワーク実施率の高さを背景に、物価高騰もあって首都圏の賃貸ニーズは郊外化が顕著だが、その郊外化の『便利な足』として機能しているのがこれらの路線だ。都心に近い割に賃料水準が比較的安価な街があることも注目されるポイントとなった」とコメントした。
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