成長産業への労働移動を実現するためには、再就職サポートだけでなく、失業期間なしで次の就職先に移る「転職」を実現しやすい外部労働市場の強化が欠かせない。
川上氏は「民間の転職サービスを利用している人の7割は在職中の人だと言われている。潜在的な転職希望者は在職中の人たちの中に多く存在しており、『転職』サポートの充実にも目を向ける必要がある」と話す。
そのためには「失業者だけでなく、在職中の労働者もハローワークの就職あっせんが受けられるようにするといった施策を検討する必要がある」と説明する。
さらに、解雇ルールの整備も重要な検討課題だという。
「現状、会社は活躍が見込めない社員でも解雇できず雇い続けなければならないため職場に空きポジションが生まれにくい。社員は会社を移りたくても外部労働市場に空きポジションが生まれにくいため選択肢が少なく移りづらい状況にある」
「会社も労働者も、双方が今以上のメリットを享受できるような解雇ルールの整備は検討の余地があるはず。それら抜本的な対策にまで踏み込むことができれば、名実ともに異次元の対策になるといえる」
ワークスタイル研究家。1973年三重県津市出身。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼 編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関『しゅふJOB総合研究所』所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦・主夫層”の声のべ4万人以上を調査したレポートは200本を超える。NHK「あさイチ」他メディア出演多数。
現在は、『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰、『ヒトラボ』編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
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