三菱「アウトランダー」、2年連続最も売れたPHEVに 競争激化しても人気の理由意外な用途も(2/3 ページ)

» 2023年04月23日 08時50分 公開
[樋口隆充ITmedia]

キャンプや災害現場でも活躍 意外な用途

 EVの特長の1つが車載バッテリーの蓄電性能だ。このため、昨今のアウトドアブームに乗る形で、キャンプなど屋外での電力源としての訴求も進めている。キャンプ好きのファミリー層が購入するケースが多いという。

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photo キャンプで活躍するアウトランダー(出典:東京電力エナジーパートナーの記事

 PHEVにしかない特長を生かして、災害対策としてのニーズも高い。アウトランダーは災害で停電が発生した際、ガソリンを使って発電することが可能。同社によると、フル充電とガソリン満タン時で、最大12日分の電力を供給できるという。

photo 最大12日分の電力を供給可能

 4WDは悪路でも走行できることから、同社は災害現場にアウトランダーを提供し、被災地を支援。19年9月に「台風15号」が千葉県に甚大な被害をもたらした際、同社は自治体からの要請に応じ、千葉県内の老人ホームにアウトランダーを派遣。電力を供給し続けた。

photo 悪路でも走行可能
photo 災害現場で活躍

 販売面でも「災害に強いPHEV」を全面に押し出し、通常の自動車ユーザーだけでなく、自治体向けの販売も強化している。これまでに47都道府県で200以上の自治体との災害時協力協定も締結した。

photo 「災害に強いPHEV」を強調
photo 200以上の自治体と協力協定を締結

 太陽光発電など再生可能エネルギーに注目が集まる中、自宅の屋根に太陽光パネルを設置したユーザーが購入するケースも多い。電気代高騰が叫ばれて久しいが、日中に太陽光パネルで発電した電気をアウトランダーに蓄電し、「V2H」(Vehicle to Home)の機能を使って、アウトランダー側から自宅に電気を供給するといった使い方も注目を集めている。同社によると、こうした使い方はPHEVの中でも急速充電に対応した一部の車種にしかできないことだという。

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