多くの人がやみつきになるハッピーパウダーは、植物由来のたんぱく加水分解物、アミノ酸、砂糖、塩――を原料とする。これらをうまく調合することで、あの言葉には表せない独特の味わいが生まれる。同じ原料を使って自作で調合してみても、再現は至難。原料の調合割合は、社内でも一部の社員しか知らされていないという。
「ハッピーターン スパイス」は、こうした従来の原料を基本としつつ、一部配合を調整しながらマッチする8種類のスパイスを組み合わせた。「公式ライバルと断言できるほどの唯一無二のやみつきパウダーに仕上がりました」と林さんは話す。
ハッピーパウダーが多くの熱烈なファンを獲得したのは、その時代に合わせた改良を続けてきたからでもある。
2005年、煎餅の生地に「パウダーポケット」と呼ばれる溝を作り、生地からハッピーパウダーが落ちるのを防ぐようにした。
これに加え、07年には生地に「でこぼこゾーン」を作る。パウダーポケットとは別に、表面に凹凸を作り、生地がパウダーをよりキャッチして離さないようにした。
これらの改良を同社は「パウダーキャッチ製法」と呼び、ハッピーターンの売り上げ拡大に大きく寄与した。09年にはパウダーを200%増量した商品、翌10年にはパウダーを250%増量したコンビニ限定商品も展開。15年の改良ではパウダーポケットをより大きくし、直近の19年には、味付けの最後にシャワーのようにかけてコクとうまみをアップさせる「ハッピーシャワー製法」を開発した。
改良にとどまらず、他社とのコラボ企画なども展開する。22年5月には、コンビニ大手ローソンと連携し、「からあげクン ハッピーターン味」や「Lチキ ハッピーターン味」などのコラボ商品を開発した。
「ロングセラーゆえ、商品自体は知っていても最近食べていない、買わなくなったというお客さまもいるかもしれません。こうしたコラボを通じて、いま一度ハッピーターンを思い出してもらう機会にしたいと考えました」と林さんは話す。
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