そして2000年代に入ってキセノンバルブ、ディスチャージランプとも呼ばれる放電型のHIDヘッドランプが導入されるようになり、ヘッドライトは明るく白くなっていく。それ以前からハロゲンバルブでも高効率型として白く明るいバルブがリプレイス品では人気となっており、色温度の高い蒼白い光が主流となっていったのだ。
HIDランプとプロジェクターを組み合わせたヘッドライトは光量と配光特性によって夜間の視界を驚くほど明るくしてくれたが、そのころからクルマの電子制御や快適装備は急速に充実していくことになるのだった。
そうした明るいヘッドライトが登場すると、既存のクルマのヘッドライトも明るくさせる需要が生まれる。後付けのHIDランプキットが登場し、普及していくと競争原理で販売価格も下降してますます普及は加速する。こうして従来のレンズカット式ライトやマルチリフレクター式のヘッドライトにHIDランプを取り付けて、光量アップを図るドライバーが増えていったのだ。
従来のハロゲンバルブ用のライトユニットにHID、それも光量を大幅に高めたHIDライトを組み込むと、夜間の視界は当然明るくなるが、周辺へ拡散する光も増える。これは周囲のドライバーにとって非常に迷惑なことだ。
ロービームでも本来の光量より大幅に明るくなったことでハイビームのように対向車を幻惑する状態になったことに気づかず、自分の視界が確保されたことで安心しているだけのドライバーも多い、ということなのだ。
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