前述のラベリング制度では、転がり抵抗とウエットグリップのレベル、それにエコタイヤであるかの有無しか判断できない。タイヤはライフや静粛性(これは乗員が気付かなければ意味ないし、我慢できる要素だが)、信頼性など品質における評価でも多岐に渡る。
「高速道路は走らないし」「自分一人だけで利用するので」「軽自動車なのでタイヤは安くても大丈夫」など自分なりの理由をつけて激安アジアンタイヤを選ぶユーザーは少なくないだろう。それ自体は否定しないし、最終的には予算などもあって選択することになる。
だがクルマはタイヤだけが路面と結びついているのであり、乗り心地も燃費も安全性もすべてタイヤ次第であることを、もう少しドライバーは意識したほうがいい。それが己を守り、運転や移動を楽しむための基本的な要素の一つであることを忘れてほしくないのだ。
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。近著に「ロードバイクの素材と構造の進化(グランプリ出版刊)、「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。
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