今回、筆者はトッピングで一番人気の「すじこ+さけ」、2位の「卵黄+肉そぼろ」、具材人気5位の「明マヨクリームチーズ」を実食した。ご飯も海苔も具材もおいしく、率直に「また食べたい」と思ったのだが、右近氏の人柄に触れ、「ぼんご」に存在する「味以外の魅力」もまた強烈な印象として残った。
実際、右近氏も「おにぎりにこだわりはあります。けれど、たかがおにぎりだから。もっと大事なのは、誰と、どんな場面で食べるかなんです」と話す。
こじんまりとしたカウンタースタイルと、右近氏がつくり出すホッとするような空気感。これは、なかなか他店では出せないかもしれない。この日も、満面の笑みとよく通る声で開店前に並ぶ客にあいさつしていた。
店内での接客の様子を見ることは実現しなかったが、右近氏いわく「スタッフみんなとお客さんで会話する」そうだ。「ここの空気感は(他の店と)ちょっと違うね」と、雰囲気を好む人はかなり多いという。
「ぼんご」の人気が加速したのが、今から10年ほど前。メディア露出が増え、毎日のように長蛇の列ができるようになったのは、5〜6年前から。1日に1200〜1500個ほどのおにぎりを販売する。今は新規客が多いが、以前は常連客ばかりで客の要望から新メニューが誕生することも珍しくなかったそうだ。
「タラコにマヨネーズ入れてよ」「ツナにネギ足して」「チーズをトッピングしたい」といったリクエストを聞いているうちに、メニューとして並ぶようになった。カウンター越しに客の顔を見て、会話をして、食べ残しを観察して、改良に改良を重ねてきたのだ。
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