この記事は、Yahoo!ニュース個人に4月26日に掲載された「日銀の植田和男新総裁による就任記者会見、期待されている発信力はどうだったか 非言語は課題あり」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
植田和男新総裁が副総裁2人と共に就任の記者会見を4月10日に開きました。日銀総裁は10年ぶりの交代。岸田文雄首相は2月8日の衆院予算委員会で、日銀の黒田東彦総裁の後任にふさわしい人物像について「主要国の中央銀行トップとの緊密な連携、内外の市場関係者への質の高い発信力と受信力が格段に重要になってきている」とコメント。日銀総裁に求められる発信力と受信力とは何だろうか、広報の観点からこの言葉の意味や背景が気になり、今回の就任会見を取り上げることにしました。元財務官僚・元衆議院議員で公認会計士の桜内文城氏と共に考えます。
石川: 岸田首相が”質の高い発信力と受信力“と言った意味、背景には何があるのでしょうか。この発言は、黒田前総裁の発信と受信の質を評価していないように見えます。
桜内さん(以下、敬称略): 黒田前総裁は、実は国内での記者会見における評判はあまりよくなかったんです。記者の知識不足・勉強不足もあるのですが、木で鼻をくくったような対応をしていました。中身が悪いわけではないんです。
石川: 海外ではどうだったのでしょうか。
桜内: 黒田さんは10年もやっていたので一目置かれる存在でした。海外に限らずきちんと総裁として発信していたのですが、国内の記者が理解できなかったということです。マスコミの方に問題があったと私は思います。
石川: では、岸田首相としては、国内においても丁寧な説明ができる人を期待する、という意味だったのでしょうか。
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