2023年下半期、化粧品業界で注目されるのは「鼻メーク」──。美容系総合ポータルサイト@cosmeの口コミでは、「鼻根」「小鼻」「鼻中」「鼻翼」など、鼻に関わるワードが急増。特に「鼻根」と「鼻先」というワードの出現率は、直近5年間でそれぞれ約4倍、約2.5倍に伸長しているという。
メークアップアイテムに関しても「@cosme TOKYO」で、ノーズシャドーで使用するシェーディングカテゴリーの4月の売り上げが約2.5倍に増加(昨年比)している。鼻への美意識が上がっているようだ。
なぜ、鼻が注目されているのか。3月にマスク着用が個人判断になり、5月に新型コロナが5類に引き下げられ、コロナ禍で停滞していた「メーク欲」が爆発している。こうした中、@cosme運営元のアイスタイルが5月に実施した調査によると、10〜30代の37.0%が「マスクで隠れていた鼻が気になるようになった」と回答した。
@cosmeのリサーチプランナーの西原羽衣子さんは「これまではアイメーク・リップメークがメークの主流でした。しかし、脱マスクを受けて自分の鼻が気になるという意識の変化が起こり、鼻メークが新たなトレンドになると予測しています」と話す。
すでにトレンドの兆しはあった。2021年ごろからは「人中短縮メーク」が注目され、人気のメーク方法となっている。人中短縮メークとは、鼻の下から上唇までを短く見せるメークで、顔ののっぺりとした印象を軽減する効果がある。この人中短縮メークでも鼻はポイントの一つだ。こうした効果も含めて「鼻メーク」が当たり前になる可能性もある。
メーカー各社も、こうした流れを受けて鼻メークの商品を次々投入している。鼻メークの流れをけん引してきたキャンメイクやKATEといったプチプラ(低価格帯)コスメ以外にも、KANEBOなどデパコス(高価格帯ブランド)も新商品の発売を予定。新たなトレンド定着に向けてメーカー各社は本腰を入れている。
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