パスファインダーズ社長。30年にわたる戦略・業務コンサルティングの経験と実績を基に、新規事業・新市場進出を中心とした戦略策定と、「空回りしない」業務改革を支援。日本ユニシス、アーサー・D・リトル等出身。一橋大学経済学部、テキサス大学オースティン校経営大学院卒。
マイナンバーカード(以下、マイナカード)の利用に関連するトラブルが連発し、オンライン記者会見やTV番組等で、河野太郎大臣がデジタル庁を代表して釈明や謝罪を繰り返す羽目になっている。
河野大臣の会見といくつかの報道内容に基づき、どんな問題がなぜ起きているかを簡単に整理してみた(件数は6月12日時点で確認できているもの)。大きく分類して、(1)コンビニ交付サービスでの誤交付、(2)マイナ保険証の誤登録、(3)公金受取口座の誤登録、(4)マイナポイントの誤付与、(5)マイナポータルでの他人の年金記録閲覧、の5つである。
(1)コンビニ交付サービスでの誤交付
【不具合】コンビニでマイナカードを使って住民票の写しや戸籍証明書などを交付するサービスにおいて、別人の証明書が発行される(4自治体で14件)。
【原因】システムの不具合とされる。川崎市の事例では、同じ自治体の住民がほぼ同時に、それぞれマイナカードを使って戸籍証明書を申請したところ、後の人の処理が先の人の処理を上書きしてしまい、先に申請した人にも後から申請した人の証明書が発行されてしまったとのこと。
(2)マイナ保険証の誤登録
【不具合】 マイナカードと保険証を紐づけ登録する際に、別の人の情報が登録された(現時点の公表分として全国で7312件だが、新たな事例が追加されそう)。
【原因】健康保険を運営する組合などが、加入者の健康保険証とマイナカードを紐付ける際に入力を誤ったと考えられる。別人なら住所が異なるため本来なら誤りを見抜けるはずだったが、「あまりに申請の住所と住民票の登録住所の不一致エラーが多く生じるため、住所が一致しなくても生年月日などが同一なら同一人物とみなして作業を進めていた」などといった、マニュアルを逸脱した処理が常態化していた模様。
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