米ギャップの日本法人ギャップジャパン(東京都渋谷区)が、旗艦店「Gapフラッグシップ銀座」(東京都中央区)を7月31日に閉店する。閉店後、ギャップが展開する国内128店舗(4月29日時点)のうち、国内旗艦店はゼロになる。最後の旗艦店閉店は、ブランドにとってマイナスしかないのではないか──。専門家によると、必ずしもそうではないようだ。
アパレルメーカーにとって、旗艦店とはどういった存在なのか。ファッションビジネス・コンサルタントの磯部孝氏によると、旗艦店に求められる条件は2つ。ブランドのフルラインを取りそろえていること、店舗でブランドの世界観を体感できることだという。そして、これらの条件をクリアした旗艦店は、集客が見込める好立地に置くのが定石だ。旗艦店は店舗としての機能だけでなく、広告宣伝という側面を併せ持っているからだ。
好立地に店舗を構えようとすると、初期投資だけでなく、高額な賃料などを継続的に払い続けなければならない。それでも好立地に旗艦店を出す背景には「エリアのブランド力」を味方に付けたいという理由がある。「好立地に出店すれば、ブランド単体の力だけでなく、エリアのブランド力を借りられます。今回のケースでいえば、Gapというブランドに、銀座というブランドが加わるのです」(磯部氏)
そんな旗艦店を失うことは、ブランドにとってマイナスしかないのでないか。磯部氏は「そうとも言い切れない」という。「もちろんある程度の客離れは否めないでしょうが、ブランドのファンによる『応援しなくては』という消費を呼び起こすこともあります」
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