ドコモ「irumo」実質値上げに批判の声 転出者はどこへ行く?残留? 乗り換え?(1/2 ページ)

» 2023年06月30日 07時21分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 NTTドコモが新たな小容量プラン「irumo」(イルモ、3GB/2167円〜)を発表した。自社ブランドでこれまで提供がなかった小容量プランを新設した形だが、同時に傘下のNTTレゾナントが提供する「OCNモバイルONE」の新規受け付けを終了することも明らかにした。

photo ドコモが発表した「irumo」(ドコモ提供)

 同プランで3GBを使う場合は月額990円であるのに対し、イルモは各種割引を適用しない場合3GB/2167円(適用後は3GB/880円)。ドコモはOCNモバイルONEのサービス継続を強調しているものの、実質的な値上げになることから批判が集まっており、ネット上でも他サービスへの乗り換えを検討する声が複数出ている。ITジャーナリストの山口健太氏の見解とともに、ネット上の声などを参考に移行先候補となるサービスを探った。

photo イルモのプラン詳細

KDDI「povo2.0」とソフトバンク「LINEMO」

 移行先で真っ先に候補となるのが、キャリア各社が提供するオンライン限定プランだ。菅義偉政権下での“官製値下げ”に対応する形で、ドコモはKDDIとソフトバンクに先んじて、20年12月に「ahamo」(アハモ)を発表。20GB/3278円で翌21年3月に提供を開始し、2年2カ月後の23年6月に契約者数が500万人を突破した。

photo ahamoのプラン

 ただ、アハモは20GB(2970円)プランと100GB(4950円)の大容量のみの提供。一方、後発の「povo2.0」「LINEMO」は3GBプラン(ともに990円)も提供しており、小容量プランを求める層のニーズに応えている。イルモと異なり、オンライン限定プランでサポートには課題があるとみられるものの、いずれも条件なしの価格となっている。

photo 「povo2.0」では3GBプランを提供している

条件なしの「3GB/月額1078円」 楽天「最強プラン」

 キャリアが提供するプランでは、楽天モバイルも候補先として挙げられるだろう。“第4のキャリ”として3大キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク)のプランに対抗する形で参入した楽天モバイル。通信品質に課題がある上、基地局整備への大型投資などで巨額の事業赤字を生んでいることから批判が集まっているが、安価なプランで3大キャリアが格安プランを相次ぎ発表することにつながったことから、業界に一定の競争を生み出したとの見方は強い。

 そんな同社は6月から「Rakuten最強プラン」を提供している。同プランは月額3278円でデータ量無制限という点が大きな特徴。月の利用量に応じて料金が決まる仕組みで、3GBでは1078円(税抜きで980円)となる。

photo 「Rakuten最強プラン」

 同プランはキャリアならではの全面サポートを提供した上での価格。ネット上の反応を見ていると、イルモの「3GB/880円」のように条件付きの価格表示をしていない点に好感を抱く利用者もいるようだ。

UQとワイモバの小容量プランは2000円以上

 では、サブブランドの小容量プランはどうか。ドコモが総務省に提出した資料を見ると、ドコモ利用者が、UQ mobile(KDDI系)とY!mobile(ソフトバンク系)に転出していることが分かる。

 UQ mobileの「ミニミニプラン」は「4GB/月額2365円」(各種割引後で980円)、ワイモバの「シンプルS」は「3GB/同2178円」(同990円)となる。イルモのように、条件を満たさなければ1000円以下で利用できないプラン設計となっている。

photo ワイモバのプラン
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