「つぶあんVS.こしあん」論争はどうなる? 井村屋「こしあんバー」の登場よって決着か経済の「雑学」(2/2 ページ)

» 2023年08月17日 07時00分 公開
[菊地央里子ITmedia]
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開発には社内からのプレッシャーも

 生あんの製造工程では、あずきの皮を取り除き、水に何度もさらす工程があります。これにより、こしあんらしいなめらかで上品な味わいが生まれるのですが、一方であずきの風味があっさりしてしまう難点も。そこで、あずきを粉砕した「あずきパウダー」を配合し、あずき風味を引き出すことにしました。

kosian こしあん(公式Webサイトより引用)

 配合する砂糖の一部には氷砂糖を使用。ミネラル分の多い球美(くみ)の塩と合わせることで、すっきりとした上品な甘さとコクのバランスをとりました。完成に至るまで、砂糖や塩の種類や量を何十通りも試作したそうです。

 また、こしあんバー開発には社内からのプレッシャーも大きかったとか。「あずきバーは年間3億本を売り上げる当社の看板商品です。そのため、本商品にかける社内の思いや期待も高く、プレッシャーを強く感じました」と、森さんは振り返ります。コンセプトや原料、味わい、食感、デザインなど社内のさまざまな意見をまとめながら、1つの方向性に固めることに苦労したそうです。

kosian 年間3億本を売り上げるあずきバー(プレスリリースより引用)

 こうした苦労を経て誕生したこしあんバーは数量限定の発売で、現時点では再販や通年販売の計画は未定とのこと。ウェザーニューズが実施した調査によると、つぶあん派は58%、こしあん派は37%で、つぶあん優勢です。こしあんバーの登場は、「つぶあん派か、こしあん派か」論争にどのような変化をもたらすのでしょうか。

kosian こしあんバー(プレスリリースより引用)
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