第2次大戦後に欧州では無数の「バブルカー」が誕生した。バブル経済のバブルではなく、その多くがバブルのように見えるキャノピーを持っていたためそう呼ばれる、小さくプリミティブなクルマを指す。
例えばイソやBMWの「イセッタ」であるとか、メッサーシュミットの「KR200」、ツェンダップの「ヤヌス」、日本でいえば富士自動車の「フジキャビン」のようなクルマである。戦後の混乱期が収束するのと並行して、これらは例外なく消えていった。
新しい例で言えば、インドのタタがリリースし、28万円という圧倒的安価で世界を驚愕(きょうがく)させた「ナノ」も前評判に全くそぐわない戦果に終わった。
このナノが登場したときも日本の大手マスコミは、「新興国の脅威」と散々騒ぎ立てたが、結局見立て違いもいいところだったわけである。そしてどの時代にもこういう「日本はもうダメ」という話に乗っかる人々が大勢出てくる。まあそれは避け難い話でもあるのだ。
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