「謎ルール」も言葉だけを追うとパワハラ要素が満載ですが、根底には中核となる意識があるはずです。例えば、クリーンな職場で生産性を上げたい、社員同士の交流を活発にしてチームワークやエンゲージメントを高めたい、熟練の技術を継承させたいといったもっともな理由があって、それが社内風土や今までの当たり前に絡めとられて「謎ルール」になっているのです。
その中核を変えずこれからのコミュニケーションにいかに変化させていくかが重要なポイントになります。以下、事例をもとに考えてみましょう。
「誰よりも早く出社して掃除」
ハラスメント以前の問題で、始業時間前の出社を指示しているのであればそれは業務命令になります。その時間が給与に反映できてないのであれば、旧時代の精神論のためにコンプライアンス違反になっているでしょう。
例えば、始業5分間はクリーンタイムと設定・周知している会社があります。そうすれば何時にどこに出社したとしても、最初の5分は掃除時間になり、クリーンな職場の意識は保たれるでしょう。
「断れない飲み会」
強制的な飲み会は、ハラスメントにつながる可能性が大です。理由を問わず、自由参加にしましょう。リモートワーク者を含め全体的な声掛けをし、またはWeb懇親会を開くなど工夫しましょう。
「上司より先に帰れない」
熟練の技術継承を重要視するのであれば、それは勤務時間とは連動しません。むしろ少ない労働時間で効率的に技術を習得し、生産性を上げることこそ、いま求められる働き方です。勤務時間の多寡とは違う切り口を模索した方が、賢明です。
あなたが上司であれば、早く帰る姿を周囲に見せることによって職場風土を変えるよう働きかけた方がいいかもしれません。一方、あなたが若手であれば、定時で仕事を終了させる能力を、周囲に評価してもらえるよい機会にしてください。
このほかにもさまざまな違和感があるはずです。「これからの働き方」を考えることで視野は広がります。どんな働き方になったとしてもコミュニケーションはなくなりません。今の働き方に沿う新しい意識にブラッシュアップしていきましょう。
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