消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
学生の3人に1人が夏休みの宿題に生成AIを活用している――Webマーケティング支援を手掛けるナイル(東京都品川区)の調査で、そんな結果が明らかになった。10〜20代の学生たちは、どのような課題で生成AIを使っているのか。
15〜19歳の388人、20〜29歳の145人を対象に調査を実施した。夏休みの宿題・課題について、34.1%が生成AIを「活用した」と回答し、全体の3人に1人が利用している結果になった。
生成AIの活用について、学校や親から「制限された」のは32.6%、一方で「制限されなかった」は67.4%と、肯定的な意見が上回る結果に。ナイルは「リスクが懸念される一方で、学校側や親にとっても、生成AIを活用することで効率的な学習や創造的な表現が促進される可能性を認識、期待していると予想できる」とコメントしている。
生成AIを活用した宿題の内容について、1位は「論文やレポートの執筆」で103人が回答した。2位は「数学の問題を解くこと」(65人)、3位は「読書感想文の作成」(48人)となった。情報収集や文書・資料作成を効率化する以外にも、外国語の翻訳やプログラミング、芸術の課題など、さまざまな分野で生成AIが活用されていることが分かった。
実際に使ったツールで最多だったのは「ChatGPT」(134人)で7割以上が利用した。2位以下は「Bard」(33人)、「Bing Chat」(31人)と続いた。その他、5位には「宿題ポケット」という、考え方や解き方を導くことを目標とした中高校生向けのAI家庭教師アプリがランクインした。
また、画像生成AIで名前が挙がったサービスは「Stable Diffusion」のみだったことから、宿題の内容にあわせ、情報収集や文章作成などの目的で広く利用されるツールを選んでいると考えられる結果となった。
生成AIの利用により宿題が「捗(はかど)った」としたのは9割近くに上った。理由は「情報収集を効率的に進められた」(94人)が最も多く、「複雑な問題を簡単に解決できた」(65人)、「文章の質が向上した」(58人)と続いた。
一方で、「捗らなかった」とした人の理由では、「生成AIの回答や提案が不正確だった」「自分の学習理解が浅くなった」「情報の信頼性に疑問を感じた」などが上位にランクイン。また「操作が難しかった」「得られる情報が宿題に合わなかった」など、うまく活用できなかったという回答も見られた。
生成AIの使い方を学んだ方法として最も多かったのは「インターネットの記事やブログ」(65人)だった。「学校で質問した」(52人)、「YouTubeや動画サイトでの解説」(49人)と続いた。学校や親に質問した人よりも、インターネットやSNSで自主的に調べた人の方が多い結果となった。
調査は8月24〜30日にインターネットで実施。全国の10〜20代の男女533人から回答を得た。
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