リテール大革命

ウォルマートが「広告代理店」になる日 小売りに頼らない未来の稼ぎ方(4/4 ページ)

» 2023年09月14日 07時00分 公開
[後藤文俊ITmedia]
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店舗数を減らしても利益を確保できる理由

 ウォルマート・スーパーセンターに行くと、セルフレジが有人レジ以上の数になっているのはそのためでもあります。ロサンゼルス近郊のピコリベラ店では、有人レジ5台、大型セルフレジ6台、小型セルフレジ6台、ウォルマート・プラス会員用セルフレジ2台となるレジのセットを左右の入り口に2セット配置しています。

 合計38台のレジのうちセルフが28台になっています。有人レジは10台あるものの、平日では実際に稼働しているのは2〜4台程度となっています。

 セルフレジのスクリーン、テレビ売り場に置かれているTVスクリーン、さらに商品陳列棚にあるデジタルサイネージを含めれば、コマーシャルを流せるデジタルスクリーンは17万台にも及ぶと米経済ニュース大手CNBCは伝えています。これらのデジタルスクリーンを活用することで、30秒のCMスポットをメーカーやサプライヤーに売れるのです。

ウォルマートは店内のデジタルスクリーンを活用することで、30秒のCMスポットをメーカーやサプライヤーに売れるようになる

 ところでウォルマートは第1四半期(2〜4月期)に続いて第2四半期(5〜7月期)でも店舗数を減らしていました。将来的には店舗数を減らしても、広告代理店事業がウォルマートの利益をちゃんと確保できることになるのです。この流れは日本にも必ずやってきます。Eコマースを拡大し、オムニチャネル化する大手チェーンストアが広告代理店としても機能するのです。

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