「電話とトランシーバー」くっつけちゃった! 見たことがない端末が人気のワケあの話題は今(4/4 ページ)

» 2023年09月22日 08時30分 公開
[土肥義則ITmedia]
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トランシーバー色の強い製品

 さてさて。「合体タイプが売れたぞー」となると、次の展開が気になってしまう。アイコム社はどのような手を打ったのか。「こんなこともできる、あんなこともできる。性能が各段にアップしました」といった話ではなく、機能はそのままで、パッと見ると「トランシーバーでしょ」と感じられる製品を投入したのだ。その名は「IP210H」(価格はオープン)。

トランシーバー色が強い「IP210H」を発売

 先ほどちょっと紹介したように、工場ではまだまだトランシーバーを使うケースが多い。となると、アイコム社の担当者はこのような営業トークをしたのではないか。「IP200Hを使えば、トランシーバーだけでなく、電話もできますよ。ね、便利でしょ。いかがでしょうか?」と。

 しかし、である。トランシーバーの操作に慣れた人からは「アンテナがほしい」「ボリュームのつまみもほしい」といった声があった。同社は「長年使ってきたモノに対して、人は慣れてしまう。使い勝手がいいと感じているはずなので、アンテナとボリュームのつまみを必要としている人は多いかも」とにらんで、トランシーバー色の強い製品を出したのだ。

 IP200Hをつくるときには、電話色を強くするために、わざわざアンテナとボリュームのつまみをなくした。しかし、IP210Hをつくるときには、トランシーバー色を強くするために、わざわざアンテナとボリュームのつまみを追加した。

 あったほうがよいのか、ないほうがよいのか――。この話を“わざわざ”書いてみたが、情報感度が高い読者のアンテナにひっかかったのか。気になるところである。

 「こちら筆者のドイです。コラムの内容はいかがだったでしょうか。どうぞ」――。

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