さてさて。「合体タイプが売れたぞー」となると、次の展開が気になってしまう。アイコム社はどのような手を打ったのか。「こんなこともできる、あんなこともできる。性能が各段にアップしました」といった話ではなく、機能はそのままで、パッと見ると「トランシーバーでしょ」と感じられる製品を投入したのだ。その名は「IP210H」(価格はオープン)。
先ほどちょっと紹介したように、工場ではまだまだトランシーバーを使うケースが多い。となると、アイコム社の担当者はこのような営業トークをしたのではないか。「IP200Hを使えば、トランシーバーだけでなく、電話もできますよ。ね、便利でしょ。いかがでしょうか?」と。
しかし、である。トランシーバーの操作に慣れた人からは「アンテナがほしい」「ボリュームのつまみもほしい」といった声があった。同社は「長年使ってきたモノに対して、人は慣れてしまう。使い勝手がいいと感じているはずなので、アンテナとボリュームのつまみを必要としている人は多いかも」とにらんで、トランシーバー色の強い製品を出したのだ。
IP200Hをつくるときには、電話色を強くするために、わざわざアンテナとボリュームのつまみをなくした。しかし、IP210Hをつくるときには、トランシーバー色を強くするために、わざわざアンテナとボリュームのつまみを追加した。
あったほうがよいのか、ないほうがよいのか――。この話を“わざわざ”書いてみたが、情報感度が高い読者のアンテナにひっかかったのか。気になるところである。
「こちら筆者のドイです。コラムの内容はいかがだったでしょうか。どうぞ」――。
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