話はまだ続く。教室と教室の間にトイレがあって、そこにアクセスポイントがない。そうした場所の前を歩いて使うと、聞き取りにくくなる。また、長い廊下を早歩きで会話をすると、同じような症状があらわれる。
開発メンバーはこの問題を解決するために、現地に足を運んだ。原因を究明して、いまは解決しているわけだが、なぜこのような事態が起きたのか。「製品を開発していた部屋の長さは、15〜20メートルほどでして。その広さにあわせてアクセスポイントを設置していたわけですが、ユーザーさんが使われている部屋の広さや、アクセスポイントの数が全く違っていました。こうしたことがあって、リリース後に不具合が起きてしまいました」(第1ソフト設計部の岩井亮さん)
時計の針をちょっと巻き戻して、開発段階の話を紹介しよう。電話とトランシーバーを合体させた製品の“トラブルあるある”も経験した。
一般的に電話で会話をするときには、受話器を耳に近づける。一方、トランシーバーの場合、ボリュームを調整しながら、やや離して使う。電話での会話を終えて、トレンシーバーに連絡が入った場合、どういったことが起きたのか。電話だと思って受話器に耳を近づけると、大音量の声が聞こえてきたのだ。
冷静に考えれば、「こうした現象は起きるよね」と分かるものだが、開発メンバーはそのことをうっかり忘れていた。うっかりするほど、これまでになかったモノを開発することに追われていた、というエピソードである。
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