研究所が販売しているラーメンは醤油、豚骨、味噌、魚介だし醤油の4種類のみ。1箱に3食が入って、価格は1000円。このように書くと「フツーだな」と思われたかもしれないが、最大の特徴は「つくり方」である。スープを沸騰させて、あとはスープで麺をゆでるだけ。というわけで、お湯はいらないし、湯切りもいらない。
消費者にウケている要因の一つに「手軽につくれる」ことが挙げられるが、それは便利さを優先したわけではなく、味を重視したことで生まれた形である。ラーメンを開発するにあたって、担当者は「縛り」を設けていた。それは「お湯を使わずに、スープでゆでる」こと。
なぜそのようなことにこだわったのかというと、冷凍ラーメンを家で食べる場合、スープの熱さがどうしても不足する。なぜ熱さが不足するのかというと、麺とスープを別々につくるから。であれば「スープでゆでればいいのでは」ということで、この調理法にこだわったそうだ。
……と、ここまで書いていて、ちょっと気になることが浮かんだ。なぜギョーザの次はラーメンだったのか。担当者に話を聞いたところ、冷凍ギョーザを開発したときに、さまざまなメニューに挑戦したという。ただ、チャーハンがそこそこうまくできたとしても、いまのところそれを販売する予定はないそうだ。なぜか。
スーパーの冷凍コーナーに足を運べば、さまざまなチャーハンが並んでいる。大手が扱っている人気商品もあれば、ロングセラーもある。そんな激戦区の中に、わざわざ飛び込む必要はないと考えているようだ。同社は新たな商品を開発するにあたって、どこに“隙間”があるのかを考え、そこを狙っているという。それが、ラーメンだったのだ。
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