9月8日、東京・表参道に、期間限定のジュエリーショップ「匿名宝飾店」がオープンした。最大の特徴は「匿名」であることだ。ブランド名からではなく、自身の経験を基に先入観なくジュエリーを好きになってほしい、という思いから企画されたそうだ。
店内では、自分の指のサイズやパーソナルカラーに合うジュエリーを知るためのカルテを作成。好きな指輪を試着し、ミニチュアを背景に撮影できる「フィンガーフィッティングルーム」や、気に入ったジュエリーを選んで撮影できる「ジュエリービュッフェ」など、そのブランドの先入観なく、目の前にあるジュエリーと向き合える体験が待っていた。
この匿名宝飾店も9月20日にそのベールを脱いだ。正体は「4℃(ヨンドシー)」であることが公表されたのだ。
4℃といえば、SNSでは批判的な意見も目立つ。自分がいくら好きなブランドでも、他人の批判的な声が大きいと、好きなブランドだとは言いづらくなってしまう。他人の批判的な意見が流れてくるだけならまだしも、リプライや引用リポスト、DMを通して心ない批判や中傷を受ける人もいる。
このように、ブランドに対するアンチ的な考え方がまん延すると、そのブランドを持っていることは恥ずかしい、そのブランドをプレゼントされることを素直に喜んではいけない、といった風潮が生まれる。自身がそのブランドに対してどう思うかではなく、他人がそのブランドをどう思っているのかが、ブランドを選ばない理由になってしまう。
匿名宝飾店の店内には「ブランドの看板に感じる緊張感から自由になれば、ジュエリーと向き合う時間はきっと楽しいものになる。」というメッセージが書かれている。
日本経済新聞の報道によると、ブランド名を公表する前に実施した来場者アンケートでは、83%が「4℃のイメージが(好意的に)変わった」と回答。「(運営ブランドが)4℃とは意外だった」と答えた人も78%にのぼったそうだ。
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